地積測量図とは
地積測量図とは、登記申請を行う際に土地所有者が法務局に提出する図面であり、一筆(または数筆)の土地についての測量の結果(面積・求積方法など)が記載されています(全ての土地について地積測量図があるとは限りません)。
※仙台市・盛岡地方法務局等のホームページ参考
測量図の種類
測量図には下のような種類があります。
①地積測量図:登記所に備え付けられている図面
②現況測量図:現況を測量した図面
③確定測量図:隣地所有者等の立ち合いのもと、境界を確認して測量された図面
① | ①地積測量図 | ②現況測量図 | ③確定測量図 |
メリット | 法務局に備付があれば取得が容易 | 作成された年によっては高精度安価に入手可能 | 測量図の中でも比較的早く最も正確 |
デメリット | 残地で作成されたものは地積が異なることがある | 筆界が未確認の為、地積が異なることがある | 費用が高額で作成時間もかかる |
相続の現場では、地籍図が用いられることがしばしばあります。地籍図とは③確定測量図の一種で、国が行う地籍調査の成果として作成される地図であり、地籍調査後に法務局に送付されて法務局備付地図(公図)となるものです。地籍図には土地の面積や距離等は記載されていませんが、座標は公開されています(横浜市ホームページ参考)。作図に際して使用する図面は、精度が高いほど望ましいのは言うまでもありません。
(国土交通省のホームページ参考)
地積測量図の歴史・精度について
1960年ころの地積測量図は、長さは「間」(けん)で地積は「坪」(つぼ)で表記されていました。その後、メートル法になりましたが、測量機器も平板測量を用いたものが多く、精度が今ほどよくありませんでした。
座標の求積方法も三斜求積法で複数の三角形を作成して面積を求める方法が一般的でした。その後次第に座標計算されるようになり、平成17年3月7日に不動産登記法が改正され、分筆の際には全筆が求積されるようになりました。
年代 | 単位 | 精度 |
1960年代ころ | 間・坪 | 悪い |
平成17年3月7日以前 | m | 三斜求積の場合が多い ※残地の場合は測量されておらず、精度が悪い | 普通
平成17年3月7日以降 | m | ほぼ座標法で求積されており、分筆時も全筆求積 | 良い
公図と地積測量図のずれについて
相続税の財産評価を行っていると、公図と地積測量図の形状等の相違をよく見ます。公図でも精度が高い地籍図や土地区画整理所在図等の場合は地積測量図との相違はあまりありませんが、旧土地台帳附属地図等は精度が悪いことが多いので、地積測量図がある場合は地積測量図を元に評価を行うと良いと思います。ただし、前項で記載したように残地の地積測量図の場合は注意が必要です。
地積測量図の取得方法
地積測量図を取得するためには主に下のような方法があります。
取得方法 | 特徴 |
法務局・支局・出張所にて直接取得 | その場で確認できるため確実ですが往復の手間はかかります。 |
法務局・支局・出張所に申請書を郵送で取得 | 往復の手間はありませんが、相応の時間がかかります。 |
登記・供託オンライン申請システム | 登記情報提供サービスより費用面で少し高くなりますが、認証文や公印があります。 | 通称「登記ねっと」
登記情報提供サービス | インターネットで取得可能です。また、平日午前8時30分~午後11時まで可能になったため、とても便利ですが、認証文や公印はありません。 |
その他民間がやっている取得サービス等 | 業者により特徴あり |
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