【がけ地補正】がけ地補正か宅地造成費か(平成18年10月10日裁決)

①評価対象地の状況と争点

 物理的状況は下図の通り。南側接道部分の多くと、東側隣地境界付近が斜面。

②原処分庁主張要旨

 がけ地補正ではなく、宅地造成費の控除を行うべきである。

③請求人主張要旨

 がけ地補正をすべきである。

④審判所判断要旨

 請求人支持。がけ地補正は、がけがあることでその部分の利用が制限される場合の宅地に適用し、宅地造成費控除は、宅地以外の土地を宅地に比準させ評価する際に、宅地との差を減額する評価方法である。土地Eは、雑種地ではなく宅地と認めるのが相当であるから、がけ地補正を行うべきである。

⑤まとめ

 審判所は、宅地ならがけ地補正、それ以外(雑種地等)なら宅地造成費の控除、という基準を示しています。そのうえで、下のような事実認定を基に、土地Eを雑種地ではなく宅地と認めています。

土地Eの現況以下の建物の敷地として使用
H10.03.20建築の軽量鉄骨3ミリ以下亜鉛メッキ銅板葺2階建て1階面積149.05㎡の建物(本件建物1)
H10.03.20建築の軽量鉄骨3ミリ以下亜鉛メッキ銅板葺平屋建て面積92.74㎡の建物(本件建物2)
H10.10.05建築の軽量鉄骨3ミリ以下亜鉛メッキ銅板葺2階建て1階面積66.24㎡の建物
農地法上の扱い上記建物1及2を建築することを目的に、平成9年7月24日に農地法第5条に規定する転用の届出済。
固定資産税上の扱い本件相続開始日において、土地Eの現況地目を宅地として固定資産税課税標準額の算定が行われている。

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