この相続税評価額、固定資産税評価額と全然違うじゃないの!

目次

固定資産税評価額と相続税評価額

 固定資産税評価額と相続税評価額とは、市街化区域及びその周辺においてはそれぞれ、固定資産税路線価と相続税路線価とに、画地補正率と面積を乗じて算出されます。

 固定資産税路線価は実勢価格の7割を、相続税路線価は8割を目安に設定されているため、両路線価には1割程度の違いがあります。画地補正についてですが、補正項目や乗じる率等の補正方法は異なるのが通常です(固定資産税のそれのほうがやや大雑把なイメージ)。とはいえ、奥行が深すぎると減価、間口が狭すぎると減価、といった基本的な考えは同様なので、両評価額の差異は2~3割程度(固定資産税評価額のほうが安い)になるのがよくあるケースです。

当然に評価額が大きく異なる土地

 中には、固定資産税と相続税とで評価額が大きく異なる土地もあり、代表的なのが私道と生産緑地です。私道は固定資産税評価上「0円」評価が通常ですが、相続税においては財産評価基本通達24にしたがって評価を行う事になります(詳細は別記事)。生産緑地は、固定資産税を安くする制度なので、相続税申告に際してはしっかり評価を行う事になります(生産緑地の評価)。

なぜか評価額が大きく異なってしまう土地

 私道や生産緑地等、評価額が大きく異なって当然の土地以外の土地において、評価額が大きく異なってしまう事(固定資産税評価額<<相続税評価額)が、稀にあります。原因としては下が考えられるでしょう。

①相続税評価ミス
②固定資産税評価ミス
③画地補正方法の違いが土地の個性の関係でたまたま大きな差異として現れた

ではどうするか

 相続税評価を行っている段階で乖離に気づいた場合、自らの土地評価をしっかり見直して①の可能性を排除するのは当然として、問題はその次です。実際に生じている市場価値の下落分を、評価通達による画一的な方法では反映できず、固定資産税評価はそれをうまく反映してくれいている事が考えられます。この場合、評価通達6「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる」として、不動産鑑定評価等の方法によって評価を行える可能性もあるので、疑問を感じたら不動産鑑定士に相談してみるといいでしょう。

 それでも両価格の乖離の理由が把握できない場合、②なのか③なのか、非常に気になる所です。特に、お客様から表題のように「この相続税評価額、固定資産税評価額と全然違うじゃないの!あなたの相続税評価、間違っているんじゃないの?」なんて言われている(か、「そう思っているだろうな~」と感じられる)場合、役所の固定資産税課において聴取・確認したくなります。

 もちろん、聴取・確認をしてスッキリさせるのも方法のひとつですが、リスクにも注意が必要です。つまり、固定資産税課の人が「あ、間違えていました。本当はもっと高いですね。修正するから来年から固定資産税評価額が〇円程度上昇します。」というような場合です。お客様からすれば藪蛇ともいえるような事態ですね。一般的に思われているよりも、結構頻繁にあるケースです。

 上を踏まえて考えると、お客様から固定資産税評価額と相続税評価額と乖離を問われた場合、まずは、なぜ相続税評価はそのような価額になるのかの説明をしっかりすることだと思います。そのうえで、いわゆる藪蛇リスクをとってまで固定資産税評価額の理由を調査していいのかという確認をすることでしょう。きちんと調べて固定資産税額が本来のあるべき値になるのは当然のことなのですが、お客様から感謝されるとは限りませんから。

土地評価ブログの要所をまとめたWEB小冊子
「どっちだっけ?」をもれなくプレゼント中!


あれ? となりがちな
宅造費 vs しんしゃく割合 vs 生緑控除の順
相当地代と通常地代
隅切り部分と側方路線調整
ほか 10 トピックを掲載。
下からご請求ください。


【営業時間】平日:9:00~18:00

目次