奥行距離とは
下は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」にある奥行距離の説明です。参考までに、間口距離は15.00mと表示されている方です。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」 路線価等に対する距離(奥行距離)は、その路線から奥までの距離を入力します。下図の場合の路線価等に対する距離(奥行距離)は、「10.00m」になります。
奥行価格補正とは
奥行は土地の価値を決定する要因のひとつです。したがって、奥行の長短により必要に応じて減額調整が行われることになり、これを奥行価格補正といいます。
奥行価格補正率は下表のとおり定められていますが、標準的な奥行が1.00の帯で示されており、奥行がこれより短か(浅)すぎても長(深)すぎても、減価が進むというのが全体像です。標準的な奥行は地区区分ごとに異なります。
奥行距離m | 地区区分ビル街 | 高度商業 | 繁華街 | 併用住宅 | 普通商業・普通住宅 | 中小工場 | 大工場 |
4未満 | 0.80 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.85 | 0.85 |
4以上6未満 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.90 | 0.90 | |
6〃8〃 | 0.84 | 0.94 | 0.95 | 0.95 | 0.95 | 0.93 | 0.93 |
8〃10〃 | 0.88 | 0.96 | 0.97 | 0.97 | 0.97 | 0.95 | 0.95 |
10〃12〃 | 0.90 | 0.98 | 0.99 | 0.99 | 1.00 | 0.96 | 0.96 |
12〃14〃 | 0.91 | 0.99 | 1.00 | 1.00 | 0.97 | 0.97 | |
14〃16〃 | 0.92 | 1.00 | 0.98 | 0.98 | |||
16〃20〃 | 0.93 | 0.99 | 0.99 | ||||
20〃24〃 | 0.94 | 1.00 | 1.00 | ||||
24〃28〃 | 0.95 | 0.97 | |||||
28〃32〃 | 0.96 | 0.98 | 0.95 | ||||
32〃36〃 | 0.97 | 0.96 | 0.97 | 0.93 | |||
36〃40〃 | 0.98 | 0.94 | 0.95 | 0.92 | |||
40〃44〃 | 0.99 | 0.92 | 0.93 | 0.91 | |||
44〃48〃 | 1.00 | 0.90 | 0.91 | 0.90 | |||
48〃52〃 | 0.99 | 0.88 | 0.89 | 0.89 | |||
52〃56〃 | 0.98 | 0.87 | 0.88 | 0.88 | |||
56〃60〃 | 0.97 | 0.86 | 0.87 | 0.87 | |||
60〃64〃 | 0.96 | 0.85 | 0.86 | 0.86 | 0.99 | ||
64〃68〃 | 0.95 | 0.84 | 0.85 | 0.85 | 0.98 | ||
68〃72〃 | 0.94 | 0.83 | 0.84 | 0.84 | 0.97 | ||
72〃76〃 | 0.93 | 0.82 | 0.83 | 0.83 | 0.96 | ||
76〃80〃 | 0.92 | 0.81 | 0.82 | ||||
80〃84〃 | 0.90 | 0.80 | 0.81 | 0.82 | 0.93 | ||
84〃88〃 | 0.88 | 0.80 | |||||
88〃92〃 | 0.86 | 0.81 | 0.90 | ||||
92〃96〃 | 0.99 | 0.84 | |||||
96〃100〃 | 0.97 | 0.82 | |||||
100〃 | 0.95 | 0.80 | 0.80 |
実際の奥行距離の求め方
相続税評価上の奥行距離は、下にある通り「想定整形地の奥行距離」と、地積を間口で除した「計算上の奥行距離(平均的奥行距離)」とを比較した小さいほうになります(「Aを限度としてB」というのは、要はAとBとの小さいほうということです)。質疑応答事例のタイトルこそ「不整形地の奥行距離の求め方」とありますが、どんな土地に対しても(不整形地補正率が1.00だとしても)この方法で奥行距離が求められるのが通常です。
国税庁質疑応答事例「不整形地の奥行距離の求め方」
【照会要旨】次の図のような不整形地の奥行距離はどのようにして求めるのでしょうか。
【回答要旨】奥行距離が一様でないものは平均的な奥行距離によります。具体的には、不整形地にかかる想定整形地の奥行距離を限度として、その不整形地の面積をその間口距離で除して得た数値とします。上の図のような不整形地にかかる想定整形地は次のとおりとなります。したがって、この不整形地の奥行距離は17.1m(600㎡÷35m=17.1<20)となります。筆者注:屈折路に面する土地の間口距離は、想定整形地の間口距離と実際に面している距離とのいずれか短い方。
一般に不整形地について、その奥行距離を図示すれば次のようになります(数式は筆者追記)。
◎ <想定整形地の奥行距離 | 計算上の奥行距離:500㎡÷20m=25m◎ <想定整形地の奥行距離 | 計算上の奥行距離:720㎡÷18m=40m計算上の奥行距離:720㎡÷18m=40m◎ <想定整形地の奥行距離 屈 |
× >想定整形地の奥行距離50m◎ | 計算上の奥行距離:750㎡÷5m=150m◎ <想定整形地の奥行距離 | 計算上の奥行距離:800㎡÷20m=40m× >想定整形地の奥行距離50m◎ | 計算上の奥行距離:800㎡÷15m≒53.3m
奥行価格補正の適用
奥行価格補正率は、明細書の下図の箇所に記載されることになります。また、側方路線からの奥行や、裏面路線からの奥行も同様の方法で求められます。
※普通住宅地区
25m 計算上の奥行距離:37.5m(=(25m×32m)/16m) 25mに対応する奥行価格補正率 →0.97 | 想定整形地の奥行距離:計算上の奥行距離:20.68m(=(27m×40m)/29m) 20.68mに対応する奥行価格補正率 →1.00 | 想定整形地の奥行距離:27m
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