間口

目次

間口距離の求め方

 国税庁は質疑応答事例で、間口距離は原則として道路と接する部分の距離によるとし、下のような例示をしています。

A                  B                C
角切(隅切り)を考慮せず
aが間口距離 
bではなくa+cが間口距離bによるが、
aでも差し支えない 

 Aに関してですが、隅切りが大きい、つまり広幅員の幹線道路が交差して隅切り斜辺距離が長大な場合「あれ、どうしよう」と思いませんか。そのような場合においても、上の間口距離の取り扱いは適用されるようです。東裁(諸)平8-65(平8.11.18裁決)では、隅切り斜辺が14mを超える長大なものであることに加え、路線価表示もこの斜辺に沿って屈折して表示されています。請求人は、下図A路線についてaを間口距離としましたが、審判所はdであるとしてこれを否認しています。

◇東裁(諸)平8-65(平8.11.18裁決)

 A路線、B路線及びC路線に係る本件宅地の間口距離は、別紙のd、e及びfとするのが相当である。なお、路線価図に付されている路線価の矢印の表示は、単に路線価の適用される範囲を定めているにすぎないものであるから、その矢印の表示にしたがって間口距離を測定するのは相当でない。(中略)隅切は、道路法、都市計画法の規定によって設置され.その隅切部分の大小は交差する道路の幅員の長短を主要因等として決定されるものであるから、削減された部分の大小によって隅切であるかどうかを判断することはできない。したがって、隅切部分の大小によって間口距離が変わることはなく、また、奥行距離も変わることはない。

屈折路に面する宅地の間口距離

 国税庁質疑応答事例「屈折路に面する宅地の間口距離の求め方」によると、「屈折路に面する不整形地の間口距離は、その不整形地に係る想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれか短い距離」とされています。ここでは、内接地(A)と外接地(B)両方の例が示されています(図は国税庁HPのものを筆者が加工)。

          a<b+ca>b+c  

私道と間口距離

 私道は、「正面路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×奥行長大補正率×0.3×地積」か「その私道に設定された特定路線価を基に評価(特定路線価×0.3)」かの、いずれかの方法によって評価されます(タックスアンサーNo.4622 私道の評価)。このうち、前者を採用した場合の間口距離はaではなく、bまたはcとするのが一般的です。隅切りのある宅地(ここではA)を評価する際、その間口距離に隅切りを含まない事との整合性からも妥当でしょう。

水路と間口

 評価対象地と路線との間に水路が介在しているような場合、間口をどのように考えればいいでしょうか。まず、公図上道と筆との間に水路があったとしても、それらが一体として道路として認定されているならば(道路管理課等で確認)、水路を含めた一体を道路として通常の評価を行えば足ります。(ア)の例だと間口距離は10mです。一方、道路認定部分が水路を含まない場合、水路管理者に対して水路上に架橋が可能かどうか(水路占用許可)を聴取します。もしこれが不可である場合は評価対象地が無道路地とみなされる可能性があり、その旨を建築指導課に確認の上、必要に応じて無道路地評価を行います(イ)。なおその際、実際には占用できない水路を横断した想定通路を作図することの是非は、論点の一つになります(本HP「無道路地」参照)。これに対して、水路占用が可能な場合は、接道義務を果たす最小限の架橋幅員をもって間口としての評価を行います。(ウ)の例だと間口距離は原則的には2mです。橋が既にあり、そのために接道が可能となっている場合は、当該橋の幅員をもって間口距離とします。(エ)の例だと間口距離は2mです。

 水路が道路認定部分に含まれる場合
 通常の間口距離                  
水路を含まず道路認定されて水路占用ができない場合
無道路地としての評価を検討            
水路を含まず道路認定されており水路占用が可能な場合         
最低接道幅員をもって間口距離とします     
水路を含まず道路認定されており橋が存在する場合  
最低接道幅員以上であれば現況の橋幅員が間口距離      

 (エ)に関しては国税情報があるので、これが参考になります。なお、補正率は現行のものと異なります。(参考:「4ステップで身につく入門土地評価の実務」清文社)。

A土地を評価する場合、まずA、B及び橋を一体として評価した価額からB及び橋の価額を差し引き、その後B及び橋をかげ地として不整形地補正等を行います。

(1)A、B及び橋を一体として評価した価額
      奥行価格補正率
正面路線価   (25m)     地積
300千円  × 0.99  ×  250㎡ = 74,250千円

(2)B及び橋の奥行価格補正後の価額
・・・・・・奥行価格補正率
正面路線価     (5m)      地積
300千円  × 1.00(注)× 50㎡  = 15,000千円
(注)奥行距離が5mの場合の奥行価格補正率は0.92であるが、0.92とするとA、B及び橋を一体として評価した単価よりA部分の単価が高くなり不合理なので補正率を1.00とする。ただし、A、B及び橋を合わせて評価する場合において、奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合は、B及び橋の奥行価格補正率もその数値とします。

(3)(1)-(2)
74,250千円-15,000千円=59,250千円

(4)橋とBをかげ地として不整形地補正
不整形地補正率=0.94(不整形地補正率)×0.90(間口狭小補正率)=0.84
(かげ地割合=50/250=20%・地積区分A)

(5)橋の幅員をAの間口として間口狭小、奥行長大を適用
0.90(間口狭小補正率)×0.90(奥行長大補正率)=0.81

(6)Aの評価額
59250千円×0.81=47,992,500円

なお、橋が架設されていない場合には、上記の評価を行った後に通路に相当する部分の価額を控除するが、その価額は接道義務を満たす最低限の幅の橋の架設費用相当額(不整形地補正した後の価額の40%相当額を限度とする。)とします。

道路傾斜と間口

 前面道路に傾斜があり、そのため実際の出入りに使用する間口が制限されている場合は、間口距離をどう考えればいいでしょうか。実際に出入りが可能な部分(下図ア)を間口距離として捉えたくもなりますが、道路の効用が土地との出入りのみではない点にも注意が必要です。接面土地での建築許可や採光・通風等も道路がもつ効用であることから、間口距離はこれらも考慮に入れて検討される必要があります。参考までに、沖裁(諸)平18第5号(平成19年3月28日)は、道路から0.7m~1.5m低い土地について、当該道路に接した部分のすべて(下図でいうとイ)を間口距離として評価しています。


◇沖裁(諸)平18第5号(平成19年3月28日)
土地8は、南東側道路面から0.7mないし1.5m低くなっているが、審判所は同路線を正面路線、間口距離を22.6mとして評価を行っている。

目次