近似整形地とは
近似整形地とは「不整形地に近似する整形地」のことで、その描き方は、下の二つの質疑応答事例に示されています。それぞれに記載されている作図ルールは以下です。
●質疑応答事例 不整形地の評価―差引き計算により評価する場合
1 近似整形地を設定する場合、その屈折角は90度とします。
2 想定整形地の地積は、近似整形地の地積と隣接する整形地の地積との合計と必ずしも一致しません。
●質疑応答事例 不整形地の評価―近似整形地を基として評価する場合
1 近似整形地は、近似整形地からはみ出す不整形地の部分の地積と近似整形地に含まれる不整形地以外の部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように求めます。
2 近似整形地の屈折角は90度とします。
3 近似整形地と想定整形地の地積は必ずしも同一ではありません。
関裁(諸)平25-5における作図
タイトルの裁決事例における評価対象地(本件2土地)は、下のような無道路地です。
審判所が「近似整形地」として作図しているのは、下の赤点線の四角形(3,401.76㎡)です。奥行側の辺が道路と垂直になるよう描かれています。
次に、審判所が「前面土地」として作図しているのは、下の青点線の四角形(1,167.36㎡)です。評価対象地からはみ出す部分の地積と含まれる部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように描かれているように見えます。
想定通路(162.86㎡(幅員6m))は既存道路ではなく、土地に垂直になるように描かれています。
以上を合わせ込んだものが「別図2」として掲載されているものです。
関裁(諸)平25-5における計算式
上の作図を受けて、下のような計算が行われています。ここでは、主題に関連した差引き計算までの計算(不整形地補正より前)を示しますが、裁決事例では勿論、評価額まで算出されています。
差引き計算式
1. 34,000円×0.83(奥行価格補正)×3,401.76㎡=95,997,667円
2. 34,000円×0.99(奥行価格補正)×1,167.36㎡=39,293,337円
3. 1.-2.=56,704,330円
4. 56,704,330円÷2,236.98㎡=25,348円
疑問点
疑問点として、道路から離れているような土地において、その道路が屈折している場合の近似整形地をどの様に描けばいいかなどが挙げられると思います。
近似整形地とワンセットで論点になる「不整形地の評価-差引き計算により評価する場合」については、該当記事をご参考ください。この方法が通常の方法と比較して有利な場合、不利な場合の検討もしています。作図についてのご相談は、下からどうぞ。
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