貸駐車場と2.5%減額調整

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貸駐車場に2.5%減額調整が適用できる基準

 貸駐車場について、2.5%減額調整を適用できるのかどうかは、しばしば頭を悩ませる問題ではないでしょうか。「地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権」以外の賃借権を根拠に貸し付けられている雑種地で、残存期間が5年以下ならば、財産評価基本通達86「貸し付けられている雑種地の評価」(1)ロに基づいて、2.5%分を減じた価額で評価されるのが通常です。ただし、質疑応答事例等で例外規定も示されており注意が必要です。関連情報を検索して、図にまとめてみました。

図は国税庁関連資料を基に田中が作成

根拠情報

◇財産評価基本通達86抜粋

(A)賃借権、地上権等の目的となっている雑種地の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。
(1) 賃借権の目的となっている雑種地の価額は、原則として、(中略)次に掲げる金額を控除した金額によって評価する。

イ 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権(後略) その雑種地の自用地としての価額に、その賃借権の残存期間に応じ次に掲げる割合を乗じて計算した金額
(イ) 残存期間が5年以下のもの 100分の5
(ロ) 残存期間が5年を超え10年以下のもの 100分の10
(ハ) 残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の15
(ニ) 残存期間が15年を超えるもの 100分の20

ロ イに該当する賃借権以外の賃借権 その雑種地の自用地としての価額に、その賃借権の残存期間に応じイに掲げる割合の2分の1に相当する割合を乗じて計算した金額(後略)

◇質疑応答事例(臨時的な使用に係る賃借権の評価)

【照会要旨】臨時的な使用に係る賃借権や賃貸借期間が1年以下の賃借権の価額については、どのように評価するのでしょうか。
【回答要旨】(D)臨時的な使用に係る賃借権及び賃貸借期間が1年以下の賃借権((B)賃借権の利用状況に照らして賃貸借契約の更新が見込まれるものを除く。)については、その経済的価値が極めて小さいものと考えられることから、このような賃借権の価額は評価しません。また、この場合の賃借権の目的となっている雑種地の価額は、自用地価額で評価します。

◇タックスアンサー4627(貸駐車場として利用している土地の評価)抜粋

(E)土地の所有者が、自らその土地を貸駐車場として利用している場合には、その土地の自用地としての価額により評価します。このように自用地としての価額により評価するのは、土地の所有者が、その土地をそのままの状態で(又は土地に設備を施して)貸駐車場を経営することは、その土地で一定の期間、自動車を保管することを引き受けることであり、このような自動車を保管することを目的とする契約は、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なる権利関係ですので、この場合の駐車場の利用権は、その契約期間に関係なく、その土地自体に及ぶものではないと考えられるためです。(C)ただし、車庫などの施設を駐車場の利用者の費用で造ることを認めるような契約の場合には、土地の賃貸借になると考えられますので、その土地の自用地としての価額から、賃借権の価額を控除した金額によって評価します。

なお、大阪国税局は次のような取り扱いを示していますが、①は(E)に、②は(A)に、それぞれ該当すると考えられます。

大阪国税局情報

誤った取り扱い正しい取り扱い
(月極め駐車場の敷地となっている雑種地の評価)
 
7-3 下記の場合の雑種地をいずれも自用地として評価した。
 
①  土地所有者が、自ら月極め駐車場として利用している場合の雑種地
 
 
②  土地所有者が土地を貸し付けて地代を収受し、その土地の賃借人が、月極め駐車場として利用している場合の雑種地
 
 
7-3 次のとおり評価する。
 
 
① 土地の所有者が、自らその土地を月極め等の貸駐車場として利用している場合には、自用地としての価額により評価する(①に誤りはない。評基通82)。
 
②  賃借人が月極め等の貸駐車場として利用している場合には、自用地としての価額から賃借権又は地上権の価額を控除した価額により評価する(評基通86、87)。

参考裁決事例

◇東裁(諸)平26第77号
下の裁決事例では、各土地はそれぞれ異なる法人に貸し付けられており臨時使用でもないため、初めに挙げたベン図では「(A)」エリアに該当すると考えられます。したがって、施設設置が契約上認められていないものの2.5%減は可能と考えられ、現に審判所はすべての土地について「賃借権の割合」2.5%を控除した裁決をしています。

A土地B土地C土地
面積約919㎡約270㎡99.21㎡
使用目的業務用車両駐車場業務用車両駐車場駐車場
賃貸借期間2年間(合意あれば更新)2年間(合意あれば更新)2年間(更新を可とする)
建物構築物及び工作物の設置禁止禁止禁止
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